ハステロイの金型製作・加工方法について~難削材の加工はお任せください~

ハステロイ 金型 HRC60

ハステロイで金型は製作できる?

ハステロイで金型は製作できるのか、疑問を持つ方も多いでしょう。金型に求められる性質を持っているハステロイは、金型の材料として選ばれることがあります。しかしハステロイは難削材として知られている材料ですので、どのような加工会社に依頼すればよいか頭を悩ませることもあるでしょう。

ハステロイは、5軸加工機(マシニングセンタ)や放電加工機のような、硬い難削材に対応できる機械を用いることで加工ができます。もし金型を製作するとなると、高い精度が必要となりますので、精度よく切削できる5軸加工機で対応することが多いです。

ハステロイ 加工

なお、タムラエジアは5軸加工機を保有しており、ハステロイCの加工に対応しています。特に押出金型の製作実績が豊富で、関連する周辺部品の金属加工もお任せいただけます。

ハステロイとは何か?

ハステロイは、ニッケル合金の一種です。日本では一般的に使用される名称となっていますが、元々はアメリカのHaynes International社の商標の名前です。ニッケルにモリブデンクロムなどが添加されており、さまざまな特性を発揮します。

ここでは、ハステロイが難削材とされる理由を解説し、その特徴や性質についてご説明します。これらの性質を理解することは、金型の材料選定に役立つでしょう。金型製作を検討している方は、ぜひ参考になさってください。

ハステロイの特徴・性質について

ハステロイは、主に以下の特徴・性質を持つ材料です。

  • 耐熱性に優れており、高温下での強度が高い
  • 耐食性に優れている

一般的に、金属の強度は温度が高くなるほど低下しますが、ハステロイは高温下でも強度が下がりにくい素材です。また、高温下で腐食しにくく、強酸や強アルカリ、さらには強酸化剤(過酸化水素水など)に対しても優れた耐性を持ちます。そのため、大量生産で長期間使用する金型の材料として適しているのです。

ハステロイは、モリブデンタングステンなどの高価な金属を含んでいる素材ですので、材料調達にコストはかかりますが、それだけ優れた性質を持ちます。長期的な使用であれば、結果的にハステロイを使用した方が生産コストがかからない場合もあります。まだ材料選定の段階であれば、材料の性質とコストの両方を考慮して検討されることをおすすめします

ハステロイの用途

ハステロイは、その優れた性質を活かして、金型以外にもさまざまな用途に使用されています。たとえば、製紙工場の漂白用容器放射性廃棄物の処理設備は、酸化性の高い塩素が使用されたり、高温の塩酸と接触したりします。そういった環境で耐性のない材料を使用すると、腐食が進み、すぐに破損してしまうでしょう。したがって、環境に適したハステロイが使用されるのです。

また、ガスタービンの燃焼器は高温下で力がかかるため、割れが生じやすい部品です。耐熱性の低い材料の場合、強度の低下により外部からの力に耐えられません。ガスタービンのような耐熱性が求められる部品には、高温下でも割れにくいハステロイが使用されることが多いです。

難削材と言われる理由

ハステロイは、以下の理由で難削材と言われています。

  • 加工中に材料が硬くなる
  • 熱伝導率が低い
  • 工具との親和性が高い

加工する際に、材料が硬化して切削性が悪くなったり、工具が高温になったりするため、工具に大きな負荷がかかります。そういった理由から工具が摩耗・変形する恐れがあるため、難削材と呼ばれており、対応できる加工機が限られてくるのです。

ハステロイ 切削中

なお、ハステロイの加工の難しさのほか、種類やインコネルとの違いなどはこちらで解説しておりますので、より詳しく知りたい方はそちらもぜひご覧になってください。

ハステロイの金型製作・加工事例

ハステロイの金型製作会社をお探しの方は、HPなどに掲載されている事例もご確認されることをおすすめします。事例を見ると、どのような加工ができるのかより詳しく知ることができますし、実際に弊社へご依頼されたお客様の中にも、コラムに掲載している事例や写真を参考にお問い合わせいただくこともございます。

今回はハステロイの金型の製作事例をご紹介します。

ハステロイ 金型 多層ダイ

こちらはハステロイで製作した多層ダイです。複雑な構造になることもある多層ダイも、5軸加工機で精度よく加工することができます。この形状であれば、公差は±0.02以内で仕上げられます。

タムラエジアのハステロイ加工技術

ハステロイの加工事例をご紹介し、弊社に興味をお持ちいただける方もいらっしゃるのではないでしょうか。
加工会社を探す際は、保有する機械や対応範囲だけでなく、そのほかにもさまざまなことを確認し、検討をしなければなりません。ここからはより具体的に、タムラエジアにはどういった技術があるのか、強みや特徴などを詳しくご紹介します。弊社について知っていただくことで、ご依頼も検討しやすくなるかと思います。ぜひ参考になさってください。

5軸加工機による切削技術

ハステロイは難削材と言われるほど切削が難しいのですが、それと同じく精度を出すのも難しい素材です。しかし先程ご紹介した事例にもあったように、難削材のハステロイでも高精度で切削し、仕上げることができるところが弊社の大きな強みです。

さらに、金属加工の中でも押出金型の製作実績が豊富ですので、どのように加工をすればよいのか、どのように仕上げるべきか、十分に理解した上で加工します。したがって、品質の高い金型を製作することができるのです。

金型に必要な表面処理も可能です

より機能性を高めるために、金型には表面処理など切削加工以外の工程が必要になることがあります。使用する素材や環境によってどのような表面処理を行うかは異なりますが、金型の場合は熱処理、無電解ニッケルめっき、硬質クロムめっき、溶射、窒化処理などが施されます。
タムラエジアの表面処理についてはこちら

金型製作の中でも難儀となるのは、こういった表面処理後の寸法の変化です。これに関しては、これまでの経験から予測などを行い、調整しなければなりません。経験と技術が備わっているタムラエジアだからこそ、公差内で仕上げることができるのです。

ハステロイの金型製作ならタムラエジアへ

ハステロイの金型製作のご依頼は、
お問い合わせ→打ち合わせ・見積→ご依頼
といった流れで進みます。 ただし、ハステロイは加工に対応していない場合もありますので、お問い合わせの時点で確認されるとよいでしょう。

なお、タムラエジアはハステロイCの加工が可能ですので、加工会社をお探しの方は下記よりお問い合わせください。もし「まだハステロイで製作するか決めかねている」という場合でも、ご依頼内容にあわせて最適な材料をご提案いたします。

▼お問い合わせはこちら
電話:03-5735-3501
メール:info@tamuraejer.com
お問い合わせフォームはこちら

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