ハステロイでダイを製作したい方に向けて、加工方法や過去事例をご紹介します

ハステロイ ダイ 多層

ハステロイでダイは作れる?

ハステロイでダイ(金型)を製作することは可能です。ただし、過去に製作できないと断られた経験がある方も中にはいらっしゃるかもしれません。

ハステロイは、ダイの材料としてよく選ばれますが、難削材でもあるため、ハステロイの加工に対応していない会社ではお断りされることがあるのです。お断りされる理由としては、対応可能な機械や技術がなかったり、失敗したときのリスクが大きいことから積極的に依頼を受けない会社もあります。
そういった理由もあり、プラスチックの押出成形に使用されるダイ製作を行っているタムラエジアでは、ハステロイの加工依頼が年々増えています。タムラエジアでは、最新設備と高度な技術を持つエンジニアがハステロイの加工に対応します。

ハステロイは難削材

ハステロイは、優れた耐熱性や耐食性高い硬度を持つため、ダイの材料に最適です。しかし、これらの特性が切削時に工具に対して特に大きい影響を及ぼします。

ハステロイを切削すると工具の摩耗が激しくなり、精度が落ちやすくなります。また、工具の摩耗が激しくなることから切削速度を落とさざるを得ません。そのため、加工に時間がかかってしまいます。したがって、適切な切削条件を設定し、対応可能な機械や工具を用いるといった対策が必要です。また、専門的な知識と経験も求められます。このように、切削が難しい上に材料自体の価格も高いため、失敗したときのリスクが高いと言われています。

ハステロイについて

ハステロイは、特殊なニッケル基合金であり、高温環境や腐食環境において優れた性能を発揮します。その独特な化学組成により、高い耐食性と耐熱性を持ち、過酷な条件下でも長期間にわたり耐久できます。

また、先述したような耐熱性や耐食性だけでなく、機械的強度にも優れています。そのため、ダイの寿命を延ばし、生産の効率を向上させることができるため、ダイの材料としても非常に適しています。特に、高温環境や腐食環境に耐えられるダイが求められる産業分野では、ハステロイ製のダイが重要な役割を果たしています。

ハステロイの特徴と性質

ハステロイの最大の特徴は、その卓越した耐食性です。特に、塩化物や硫酸、塩酸などの強酸に対して高い耐性を持ち、腐食性の強い環境下でも長期間使用できます。また、高温環境下でも強度を保つほか、熱疲労に対する抵抗力も高いです。

これらの特性により、ハステロイは過酷な環境下で長期間使用される機器や部品の材料として重宝されています。このように特徴や性質を知ると、ダイに用いられる理由も納得できるのではないでしょうか。

ハステロイが使用される主な分野や用途

ハステロイのような特殊合金は、その優れた特性により、ダイだけでなく多岐にわたる産業分野で使用されています。

  • 化学工業
    反応槽、熱交換器、配管システムなど
  • 石油・ガス産業
    掘削機器、バルブ、ポンプ部品など
  • 航空宇宙産業
    ジェットエンジンの排気システムやロケットの推進システムなど

このように、ハステロイは高温環境、耐久性が求められる環境、腐食環境における分野の部品や製品に使用されています。ここまで、ハステロイの性質や用途などをご紹介してきましたが、いかがでしたか。ダイの材料選定にお悩みの方のヒントになればと思います。

ハステロイのダイの製作・加工方法

ハステロイのダイの製作・加工方法をご説明します。ハステロイでダイを製作する場合は、工作機械が使用されることが多いです。切削性がよくないため、基本的に対応できる加工機や工具を使用します。対応可能な工作機械を保有していても、冒頭でご説明したように、リスクが高かったり技術者がいなかったりする理由からお断りされる可能性もありますので、ご注意ください。

ハステロイは切削加工のほか、放電加工板金加工溶接加工、などでも加工ができます。タムラエジアではこれらの加工に対応しておりますので、必要に応じて、工作機以外の加工もあわせて行います。

ハステロイ ダイ マシニング

同時5軸マシニングセンタでの加工

ここでは、タムラエジアがどのような工作機械でダイを製作しているか、保有する機器の一部をご紹介します。弊社が保有する同時5軸マシニングセンタは、マシニングセンタの駆動軸の3軸に加え、回転軸を2軸加えた計5軸で加工ができます。そのため、3軸ではできなかった傾斜や曲面の加工、難削材の加工を行うことができます。

ヘッド本体 ハステロイ 加工後

とはいえ、同時5軸マシニングセンタでもハステロイは加工が難しいです。5軸マシニングセンタを同時に動かすこと自体高い技術が必要となります。タムラエジアでも最初は苦戦しましたが、難削材の加工依頼が増えたこともあり、実績を重ね、積極的に加工を承るようになりました。

過去の加工事例

ハステロイのダイの事例として、ここでは押出成形に使用される多層ダイとTダイの製作事例のお写真をご紹介します。

ハステロイ ダイ 押出 多層

上の写真は、実際にハステロイを用いて製作した多層ダイです。ハステロイのような難しい材料でも、弊社が保有する機器を駆使し、このようにダイを製作することができます。

ハステロイ Tダイ サンプル ハステロイ Tダイ サンプル2

また、こちらの写真のTダイは異なる材料で作られていますが、このようなTダイをハステロイでも製作いたします。

タムラエジアでは押出金型、その関連品、機械部品、治具などを製作しております。今回は多層ダイとTダイをご紹介しましたが、弊社HPに掲載しているコラムでは、その他さまざまな種類のダイをご紹介しております。気になる方はそちらも一度ご覧ください。

コラムページ一覧はこちら

ハステロイのダイの製作についてお問い合わせはこちら

ハステロイのダイの製作を依頼したくても、製作会社が見つからずに困っていたとおっしゃって弊社へご依頼されたお客様も過去にはいらっしゃいます。
弊社は、今回ご紹介したハステロイなどの難削材加工のほか、傾斜や曲面などの難しい加工、そのほか複雑な形状の加工にも対応が可能です。最新設備を揃えており、各工程において的確な加工を行いますので、その仕上がりにはお客様にもご満足いただいております。ダイの製作会社をお探しの方は、下記お問い合わせ先へお問い合わせください。

▼お問い合わせはこちら
電話:03-5735-3501
メール:info@tamuraejer.com
お問い合わせフォームはこちら

関連記事

  1. Tダイ
  2. Tダイ
  3. サーキュラーダイ
PAGE TOP